















☆carat , karat
キャラット caratは英語、Karatはドイツ語ですが、現在のジュエリーの世界ではcaratは石の重さ(正確には質量)の単位、karatと書くと貴金属の純度を表すのが国際的な慣習になっています。もっともドイツでは双方ともKaratで通します。 またドイツ語の名詞は大文字の頭文字で書く慣習があります。
【語源】
ギリシャ語で「角(horn)」を意味するkerasの小辞詞で「小さな角(little horn)」「キャロブの種(carob seed)」を意味するkeration → アラビア語で「豆のサヤ(pod)」「さや皮(husk)」「4グレーンの重量(weight of grains)」を意味するqirat → イタリア語のcarato → 中期フランス語のcaratから。karatはcarat の変形(variant)
ダイヤモンドの測定重量として使われたのは1575年からと言われています。
★取引単位
プロのダイヤモンドの取引は、1個が1カラット以上の大きさの石であれば、通常通常1個1個が取引単位になりますが、それ未満の大きさのものは複数個、何10個、時には何100個が取引単位となります。仮に、日本でもっともポピュラーな0.30カラット大のダイヤモンド取引単位を、まとめて10カラットとすると、33~34個がひとつのパーセル・ペーパーに入っていることになります。
★11月11日
カラットが日本でダイヤモンドの重量単位として採用されたのは、1909年(明治42年)11月11日です。農商務省令第54号で「宝石をカラットの名称により計量する時は200㎎を以って1カラットと為すべし」と決められていました。この日、11月11日を日本の宝石業界は「ジュエリーデー」としています。
一部には1が4つ(11.11)だから、「イシ(石)の日」すなわち「ジュエリーデー」になったとの裏の説がありますが、誰かのこじつけでしょう。
ちなみにカラットの採用は、フランスでは1911年、アメリカでは1913年、イギリスでは1914年です。いずれも日本の方が2年から5年先んじています。カラットが採用する前は、日本ではダイヤモンドの重量単位は「分・厘(ぶ・り)」を使っていました。1分は10分の1匁(もんめ)およそ0.375グラム、すなわち1.8カラットです。
★「ct.」と「cts.」の使い分け
ct./cts.はcarat/caratsの省略形で、単数/複数ですが、その使い分けが意外と知られていません。1カラット以下はct. 1カラット超(1.01~)はcts.で表します。例:0.50ct. 1.00ct. 1.01cts. 2.00cts
このように、重量単位は1以下の(1を含む)数値は単数、1を超えた(1を含まない)数値は複数であるといえます。 例:1pc. 2pcs. 0.9g. 1g. 2gs.
★カラット karat
K。金正。金位。金の合金中に含まれる純金量を表す単位です。 純金を24カラットとし、24Kと表記します。1Kの金の含有量は1/24、 18Kは18/24 であることを示します。 また、カラットは日本では「~金(きん)」ともいいます。
ジュエリーには日本では18K以上ですが、欧米やアジア諸国では14Kが一般的です。
純度が高い程柔らかいので、使用しているうちに変形することもありますが、日本人の高級品嗜好は、それすらも高純度の証拠として好むようです。
金の合金に用いられる他の金属には、銀、銅、パラジウムなどがありますが、使用金属によって、黄色金(yellow gold)、赤色金(red gold)、緑色金(green gold)、白色金(white gold)などとなります。
カラット(K)に代えて、千分率(0/00パーミル)per mille)で表記することもあります。
【関連用語】
・カラット・ゴールド(karat gold)純金(fine gold)に対して他の金属を混ぜた合金。
★金位のカラット(K)のと千分率(0/00)の関係
純金 純金量 割金量
24K 1000 0
22K 917 83
20K 833 167
18K 750 250
15K 625 375
14K 583 417
12K 500 500
10K 416 584
★純度の単位のカラット
ところで、本来重量の単位であるカラットが、どうして合金の中に含まれる貴金属の純度(purity/fineness)を示す単位になったのでしょう。またなぜ24Kを以って純度100%としたのでしょう。
起源は重量単位のカラット(ct)と同じですが、Kで表示させるカラットは現行では金の品位を表す用語です。かつて、金の重量もしくは
取引の単位である1トロイ・オンスが24カラット(K)の」重量と定められていたために、純金はK24と表したとのことですが、なぜ「24」に定められたのか言及していません。
金のプロモーション団体のワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council)やその他の関係資料によりますと…
ローマ人は、カラットの語源のカロブ(Carob いなご豆) を「シリカ・グラエカ(Siliqua Graeca)」とも呼びました。したがって「カラット」と「シリカ」は同意語なのです。また300年代小さな銀貨を同様に「シリカ銀貨(Siliqua)」と呼んでいました。その価値は当時流通していた機軸通貨の「コンスタンチン金貨(The Golden Solidus of Constantine)」の1/24に相当します。つまり「シリカ銀貨」24個で「コンスタンチン金貨」ど同価値だったのです。
一方、「コンスタンチン金貨」の重量はおよそ4.54グラム(約24カラット)でした。そこから基準金貨(純金)の重量を24カラット、その部分(銀貨)の単位を1シリカ、すなわち1カラットとしました。
